ゼオライト膜分離システム
Kanadevia 膜分離システム(HDS®)とは
化学産業の環境調和を担うゼオライト膜分離システム
膜分離システムは、近年最も注目される省エネルギー分離・精製技術です。
Kanadevia膜分離システム(HDS®)は、独自開発のゼオライト膜エレメントを搭載した膜分離システムです。様々な混合流体(液体・気体)から目的成分を分離・精製し、エネルギーの浪費をおさえます。
システム
独自技術を駆使して機能性材料であるゼオライトの薄膜化に成功しました。ゼオライトの持つ機能を利用して、混合流体(液体・気体)から不純物を除去し、目的成分を精製します。
ゼオライト膜の外部と内部に圧力差を設けることで、特定成分を選択的かつ連続操作にて分離・精製することができます。透過させたい成分は、ゼオライトの種類や化学組成、あるいは操作条件によってコントロールすることができます。
細孔よりも大きな分子は進入することはできないという「分子ふるい作用」と、細孔空間と親和性の高い分子が吸着するという「選択吸着作用」を活用します。
(引用)ゼオライト学会
基本設計
各種混合流体(液体・気体)に対して、ゼオライト膜による精製システムをご提案いたします。
用途例
- 水/アルコールの混合溶液からアルコールを再生したい(アルコールのリサイクル)
- 二酸化炭素/メタンの混合ガスからメタンだけを回収したい(CO2とメタンガスの分離・回収)
- 炭化水素の異性体をそれぞれ分けて回収したい(炭化水素の分離・回収)
システム⼀例
脱水方法として原料を気化してから脱水する、蒸気透過式(VP-mode)があります。
VP-modeでは不純物が多い原料にも対応できます。
導入メリット
- 脱水システムでは、従来技術である蒸留法や吸着法と比較して、大きな消費エネルギー削減と設置スペースの削減を実現します。新設プラントのみならず、既設プラントへのレトロフィットにおいても、大きなランニングコスト削減が期待できます。
- 「プロセス簡略化によるオペレーションの単純化や設備のコンパクト化」
- 「廃液の削滅、溶剤購入量の削減」
アフターサービス
HDS®は長期にわたりお使いいただく製品です。
導入いただいた設備がパフォーマンスを発揮できるよう各種サービスをご用意しております。
- 試運転時:運転サポート
- 予防保全:定期点検、オーバーホール
- 事後保全:部品、供給、メンテナンスなど
膜エレメント
オールセラミックス構造
HDS®に搭載されるゼオライト膜エレメントは、構造全てが無機材料から構成(オールセラミックス構造)されています。ポリマー系接着剤等を⼀切使用しないため、高温・高圧等の過酷な環境下でも使用可能です。高い耐久性と信頼性を追い求めた結果、この構造に辿り着きました。
世界最長・最大・最高性能のゼオライト膜エレメント
当社のゼオライト膜エレメントは世界一のサイズを誇り、一本当たりで十分な膜面積を持っています。そのため、膜エレメントの充填数やそれを支える冶具数が少なくなるため、ハンドリングやメンテナンスが容易になり、コストダウンを実現できます。また、膜エレメントの透過抵抗は極限まで減少させており、ゼオライト層もギリギリまで薄膜化しているため、世界トップレベルの処理能力を発揮します。
【標準仕様】
外径:16 mm Φ
長さ:1,130 mm
多彩な製品ラインナップ
製品ラインナップは業界最多を誇り、用途に合わせて最適構造をご提案します。
新しい材料は新しいプロセスを創造する無限の可能性を秘めています。今後もニーズに沿ってゼオライト膜の製品化を進めていきます。
主な適用先 | |
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HZM-1 | 溶剤回収・溶剤再生(アルコール、ケトンなど) |
HZM-4 | CO2分離、CO2回収、メタンの精製 |
膜モジュール
Kanadevia式膜モジュール
ゼオライト膜エレメントを束ねる膜モジュールは、同じ設置スペースで如何に多く処理量を増やせるか、同じ膜本数で如何に処理量を増やせるかを追究し、Kanadevia式膜モジュールを基本形状にしています。
Kanadevia式膜モジュールの特長
ゼオライト膜エレメントの一端を固定する片持ち構造であり、SUSとセラミックス間の熱応力差に起因するゼオライト膜エレメントの割れ・折れ等の事故が防止できます。また、膜と外管の一対構造(2重管構造)を採用することによって、レイノルズ数が向上するため、ゼオライト膜が持つ分離ポテンシャルを最大限に発揮させることができます。さらには、モジュール内部の流れ解析も駆使し、仕切板設置によるパス数の調整、膜エレメントの配置調整、処理する流体の供給方法も最適にデザインしています。
システムデザイン
世界トップレベルの処理能力の溶剤再生・溶剤リサイクル
当社の膜分離システム・溶剤再生・溶剤リサイクルは、世界トップレベルの処理量を誇ります。これは細部にまでこだわり続けたシステムデザインによって実現しています。システム全体がよりコンパクトかつ運転が容易になるよう、周辺機器の配置も最適にデザインされています。
用途例
日々進化を続けるKanadevia膜分離システム
有機溶剤の精製・溶剤脱水・溶剤再生リサイクル(溶剤の回収・再生・リサイクル、溶媒の回収・再生・リサイクル)、バイオガスからのメタンガス精製(二酸化炭素分離・除去)、パラフィン・キシレン異性体分離(炭化水素精製)など、様々な混合流体に対して、効率的な膜分離システムをご提案します。
アルコール類 | エタノール メタノール IPA ブタノール 他 |
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エーテル類 | ETBF MTBE THF 他 |
ケトン類 | アセトン MEK MIBK 他 |
エステル類 | 酢酸エチル 酢酸プロピル 他 |
芳香族炭化水素 | トルエン キシレン ベンゼン 他 |
脂肪族炭化水素 | オクタン ヘプタン ヘキサン 他 |
その他 | 非プロトン性溶剤(NMP DMF 他) |
適用例 | 対象物質 |
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石油化学製品の精製 | パラフィン異性体 |
キシレン異性体 | |
オレフィン/パラフィン | |
芳香族/脂肪族炭化水素 |
適用例 | 対象物質 |
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メタンの分離・精製(バイオガス、天然ガスなど) | CO2/CH4 N2/CH4 |
水素の分離・精製 | CO2/H2 |
CO2の分離・回収(排ガス処理など) | CO2/N2 |
主な実績
- 国内外に多数納入
- 2011年度 第37回優秀環境装置表彰事業 経済産業省 産業技術環境局長賞 受賞
- 2009年~2013年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業
グリーンサステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発
規則性ナノ多孔体 精密分離膜部材基盤技術の開発に参画
HDS®導入例
関連技術
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