日立造船グリーンボンド(第26回無担保社債)
当社は、2018年9月21日、国内製造業で初めてとなるグリーンボンド「日立造船グリーンボンド」を発行しました。これにより調達した資金は、国内のごみ焼却発電施設の建設、建替え整備などにかかる資材購入などの費用に充当しています。
当社は、環境分野を生業とする企業として、環境保全に配慮した施設の導入をさらに推進することで、循環型社会の実現に貢献していきます。このような事業方針と、資金調達手段の多様化というニーズが合致し、この度グリーンボンドの発行に至りました。発行には用途を指定する必要があり、検討を重ねた結果、2件のグリーンプロジェクトである京都市向け「京都市南部クリーンセンター第二工場建替え整備工事」、菊池環境保全組合向け「新環境工場(ごみ処理施設)整備及び運営事業」(熊本県)を選定しました。調達した資金は、同プロジェクトにかかる資材購入などの費用に充当しています。
グリーンボンドの適用を受けるには、グリーンプロジェクトによる環境効果を“具体的に”開示する必要があります。どのような工程でプロジェクトが進行し、どのくらいCO2削減効果が期待できるかなど、指定された項目に沿って明示しました。進行中のプロジェクトということもあり、容易ではありませんでしたが、各プロジェクトの担当者と連携して対応しました。その結果として、国内製造業では初となるグリーンボンド「日立造船グリーンボンド」を発行することができました。
ここに現在の状況を報告いたします。
日立造船グリーンボンドの概要
発行体 | 日立造船株式会社 |
---|---|
名称 | 日立造船株式会社第26回無担保社債 (日立造船グリーンボンド) |
発行日 | 2018年9月21日 |
条件決定日 | 2018年9月14日 |
発行年限 | 3年 |
発行額 | 50億円 |
利率 | 年0.24% |
資金使途 | 当社が受注したごみ焼却発電施設にかかる資材購入などの費用としての運転資金に充当 |
グリーンプロジェクト | (1)京都市南部クリーンセンター第二工場(仮称) (2)菊池環境保全組合新環境工場 |
社債格付 | BBB+(JCR) |
主幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 野村證券株式会社 |
グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェント(注1) | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 |
グリーンボンドのフレームワークの策定およびセカンドオピニオン取得に関する助言等を通じて、グリーンボンドの発行支援を行う者。
グリーンプロジェクトの概要
(1)京都市南部クリーンセンター第二工場 建替え整備工事※
高効率なごみ発電を行うとともに、生ごみをバイオガス化する施設が併設されていることが特徴です。
ごみから最大限のエネルギーを回収し、従来型のごみ焼却発電以上のCO2排出量の削減を目指します。
発注者 | 京都市 |
---|---|
工事名称 | 京都市南部クリーンセンター第二工場 建替え整備工事※ |
対象業務 | ごみ処理施設・管理事務所・環境学習施設の設計および施工 (既存施設の解体、外構その他関連する付帯施設整備等を含む) |
施設概要 |
|
竣工 | 2019年9月末 |
- ※工事名称は受注時の名称を記載しています。
(2)菊池環境保全組合新環境工場
同組合管内地域の将来動向および持続的なごみ処理を見据え、恒久的に安定したごみ処理を推進していくため、同組合がごみ焼却発電プラントの新設を計画。当社が代表企業として2018年に受注しました。
発注者 | 菊池環境保全組合 |
---|---|
工事名称 | 新環境工場(ごみ処理施設)整備及び運営事業※ |
対象業務 | ごみ処理施設の設計・施工および建設後の20年間の運営 |
施設概要 |
|
竣工 | 2021年3月末 |
- ※工事名称は受注時の名称を記載しています。
適格性に関する第三者評価
① セカンドパーティオピニオン
本グリーンボンドの適格性と透明性の確保および投資家への訴求力向上のため、第三者評価として、リスクマネジメントに関する先駆的国際機関であるDNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社からセカンドパーティオピニオンを取得しております。
② 環境省の平成30年度グリーンボンド発行促進体制整備支援事業
本グリーンボンドに係る第三者評価の取得について、環境省の平成30年度グリーンボンド発行促進体制整備支援事業(※2)の補助金交付対象となっております。
- ※2環境省グリーンボンド発行促進体制整備支援事業
グリーンボンドを発行しようとする企業や地方公共団体等に対し、外部レビューの付与、グリーンボンドフレームワーク整備のコンサルティング等により支援を行う登録発行支援者に対して、その支援に要する費用を補助する事業。対象となるグリーンボンドの要件は、調達した資金の全てがグリーンプロジェクトに充当されるものであって、かつ発行時点において以下の全てを満たすもの。
- 1グリーンボンドの発行時点で以下のいずれかに該当すること
- ①主に国内の低炭素化に資する事業(再エネ、省エネ等)
- 調達資金額の半分以上又は事業件数の半分以上が国内の低炭素化事業であるもの
- ②低炭素化効果及び地域活性化効果が高い事業
- 低炭素化効果:国内のCO2削減量1トン当たりの補助金額が一定以下であるもの
- 地域活性化効果:地方公共団体が定める条例・計画等において地域活性化に資するものとされる事業、地方公共団体等からの出資が見込まれる事業等
- ①主に国内の低炭素化に資する事業(再エネ、省エネ等)
- 2グリーンボンドフレームワークがグリーンボンドガイドラインに準拠することについて、発行までの間に外部レビュー機関により確認されること
- 3いわゆる「グリーンウォッシュ債券」ではないこと
投資表明投資家一覧
日立造船グリーンボンドへの投資表明をしていただいた投資家をご紹介します。
(2018年9月14日時点、50音順)
- カトリック聖ヨゼフ修道会
- 株式会社滋賀銀行
- 四国労働金庫
- 巣鴨信用金庫
- 第一生命保険株式会社
- 飯能信用金庫
- 三井住友信託銀行株式会社
グリーンボンドフレームワーク
レポーティング
- DNVグリーンボンド定期レビュー(2020年9月)