スウェーデンでバイオガスプラントの竣工式を開催 ~自社保有プラントから、地元バス会社へバイオ燃料を供給~

2021年11月08日


 日立造船株式会社の100%子会社で、ごみ焼却発電やバイオガスのプラントの設計、建設、保守などを手がけるHitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、Inova)は、スウェーデンのヨンショーピング市(Jönköping)にバイオガスプラントを建設し、運営しておりました。このほど、新型コロナウィルス感染拡大の影響で延期されていた竣工式が9月14日に実施されました。
 当日は、スウェーデン・エネルギーデジタル大臣(議会の関係でWEBでのご参加)をはじめ、ヨンショーピング郡知事、スウェーデン環境保護局長、各取引先といった現地関係者、日本の関係者では在スウェーデン日本国大使、融資銀行の国際協力銀行パリ駐在員事務所からもご来賓のご参加を賜りました。

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竣工式の様子

 スウェーデンは、カーボンニュートラルの取り組みで先行しており、2045年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを目指しています。国内輸送の温室効果ガス排出量は、スウェーデンの総排出量の3分の1を占めており、公共交通機関の化石燃料からバイオ燃料への転換を重要な政策に位置付けています。
 こうした政策の一環として、ヨンショーピング市の協力の下、周辺地域から回収した生ごみなどの有機性廃棄物をメタン発酵させ、バイオガスを生成するプラントが建設されました。作られたバイオガスは精製して純度を高めた後、圧縮されてバイオCNG (Compressed Natural Gas)として燃料充填所に送られ、市バスやごみ収集車の燃料として利用されています。発酵の過程で発生した残渣は、地元の農場や園芸企業で堆肥として利用されます。
 Inovaにとっては、ヨーロッパで初めてのBOO(Build・Own・Operate)方式のプロジェクトであり、プラントの建設に加えて、設備の所有と事業運営も行います。

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バイオガスプラントのイメージ図

【当社グループのバイオガス事業について】
 Inovaは、2014年にスイスの電力大手Axpoグループより「Kompogas®」のエンジニアリング・建設事業を買収しました。Kompogas®は乾式メタン発酵技術で、生ごみや枝葉などの植物ごみといった有機性廃棄物を酸素のない状態で約55℃の温度で発酵させ、微生物の働きによりバイオガスを生成します。  
 生成されたバイオガスは、発電に利用できるほか、精製して純度を高めたものは天然ガスの主成分とほぼ同じ成分であり、車輌燃料や都市ガスの一部として利用できます。さらに、処理済みの残渣は農業・園芸用の堆肥(コンポスト)として利用することができます。
 Kompogas®は、世界30カ国以上の国々で商標登録されています。2021年7月には通算で100件目のバイオガスプラントを受注しており、欧州ではトップクラスの実績を有しています。
 
【当バイオガスプラントの概要】
1.バイオガスプラント所有・運営事業者:HZI Jönköping Biogas AB
2.乾式メタン発酵槽数        :2基
3.バイオガス生成量         :630万Nm3/年
4.有機性廃棄物処理量        :40,125t/年

 当社グループは、今後も欧州や米国を中心にバイオガスプラントの設計、建設、運営、メンテナンスサービスを展開し、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成やカーボンニュートラルのための取り組みを推進していきます。
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