築港工場内に「PtG Square」を新設

2021年04月12日

 日立造船株式会社は、このほど、水電解装置(水素発生装置)やメタネーション設備などのPower to Gas(以下、PtG)関連事業を積極的に推進していくため、当社築港工場(大阪府大阪市)内に「PtG Square」を新設します。

 当社は長年、柏工場(千葉県柏市)において水電解装置やメタネーション設備などのPtGに関わる事業を手がけてきましたが、当社の事業再構築の一環として柏工場から築港工場に移転し、本年1月より新たに事業を開始しています。

 PtG Squareの建設は、柏工場から築港工場への移転を事業伸長の機会として捉えて設備投資を決定したもので、建屋内は水電解装置の効率的な組立・出荷を可能とするための大型電解セルスタック組立場やクリーンルーム、評価試験場などからなる水素エリアと、メタネーション反応の核となる触媒の評価や前処理を行うメタネーションエリアで構成されます。

 また、PtG Squareには柏工場で活用していた水電解装置やメタネーション実証設備を設置します。風力や太陽光などの再生可能エネルギー発電出力の変動パターンを設定して実際に水素を発生させ、メタネーション反応に必要な二酸化炭素の濃度や組成を実際に導入が検討される環境に設定してメタンガスの製造を行うなど、PtG設備の導入検証が可能です。

 当社は、本年4月から築港工場を拠点とする開発本部内に、水電解やメタネーションに関する人材・技術などを集約した「PtG事業推進室」を設置し、PtG事業を積極的に進めておりますが、今後はPtG Squareを同事業の象徴として積極的に運用していきます。

 当社は、水素分野では1970年代から水電解装置の研究開発を開始し、2000年には固体高分子型水電解装置「HYDROSPRING®」の営業を始め、国内地方自治体や大手企業が手がけるPtG事業向けに28基の水電解装置を納めています。また、メタネーション分野では1995年に東北大学と共に世界で初めて実証試験を行い、水素と二酸化炭素を合成してメタンガスを生成することが可能なことを証明し、その後も高性能触媒やプロセスの開発を行ってきました。

 近年、脱炭素社会や資源循環型社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速していますが、当社は長年培った水電解やメタネーションに関する知見を活かし、持続可能な社会の実現に積極的に貢献していきます。

 なお、PtG Squareの概要は次のとおりです。

  1. 1場所:当社築港工場内(大阪府大阪市大正区船町2-2-11)
  2. 2敷地面積:約535m2
  3. 3稼働時期:2021年9月頃

(終)