社名変更前に実施した対談となります
さらに100年続く企業に
Hitz特別対談
橋爪ICT推進本部長 ×
三野取締役社長兼CEO
常務執行役員ICT推進本部長
橋爪 宗信
創業140周年を迎えた当社グループの挑戦に終わりはありません。
次の100年に向けて持続的な成長企業であり続けるために、
今、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略が進行中。
その背景や狙いについて、取締役社長兼CEOの三野と
ICT推進本部長の橋爪が対談を行いました。
取締役社長兼CEO
三野 禎男
創業140周年を迎えた当社グループの挑戦に終わりはありません。
次の100年に向けて持続的な成長企業であり続けるために、
今、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略が進行中。
その背景や狙いについて、社長の三野と
ICT推進本部長の橋爪が対談を行いました。
常務執行役員ICT推進本部長
橋爪 宗信
代表取締役社長兼CEO
三野 禎男
これからの時代を
生き抜くためのDX戦略
三野 今、さまざまな企業がDXを推進しています。当社も同じくDX戦略に取り組んでいますが、実は私たちは4年前の2018年度から本格的にDXへの取り組みを進めてきました。世の中が日々変化していくなかで、仕事のやり方を変えていかなければ競争優位を構築できません。これまでも私たちは時代のニーズを先取りしながらさまざまな変化に対応してきましたが、これから強化していくのは、デジタル技術を活用したサービスやソリューションの提供です。
橋爪 私が2018年に入社したのも、まさに当社が持続的に成長していくためのDXを実現するためです。当社はものづくりの分野では確固たる信頼のある会社です。140年の歴史においてそのマインドはDNAに刷り込まれています。しかし、時代と共に社会・環境・事業は変化していくものです。今は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが推進されており、当社グループにとっては追い風と言えますが、それだけでは生き残れません。社会がデジタライズされていく傾向において勝つためには、強みとしてのデジタルは必要不可欠と言えます。私たちのDX戦略は、グループ全体でデジタルを利益の源泉とするためのものです。
三野 データやデジタル技術を活用し、ビジネスモデルを変えていかなければなりません。大切なのは、ビジネスとシステムを一体化して考えること。当社にとってのDXは、やるかやらないかではなく、どうやって取り組んでいくかを考え、実践していく段階に入っています。
事業そのものを
デジタルで変革していく
三野 当社のDX戦略は、「顧客価値の最大化および収益性の向上」を目的に掲げています。デジタルを活用して真の課題を解決する製品・サービス作りに取り組んでいきます。
橋爪
当社のDX戦略には大きく2つの土台があります。事業そのものをデジタルで変革していこうという「事業DX」と社内の在り方をデジタルで変革していく「企業DX」です。
まず「事業DX」は設備そのもの、製品・サービスそのものをデジタルと結びつけていく取り組みです。デジタルによる自動制御などを取り入れることで省力化を実現できます。少子高齢化の時代、例えばDXによってごみ収集を自動で行えば、コストやミスを減らし効率を向上させることも可能です。このように機械や設備をデジタルでバージョンアップしていく、それが事業DXです。
三野 2018年10月に運用を開始した、Hitz先端情報技術センター「A.I/TEC」は最たる例です。遠隔監視およびIoT、ビッグデータ、AI(人工知能)などのICT活用の拠点であり、遠隔監視・運転支援サービスなどを提供しています。
橋爪 方針に掲げている「事業部門による自律的なDXの推進に必要な仕組み作り」を行うことで、デジタルと融合した新しいビジネスモデルが生まれるための土台を構築していきます。
DXによる環境整備が
生産性を劇的に改善していく
三野 もう一つの土台である企業DXは「共通部門によるDXの推進に必要な環境整備」を方針に掲げています。
橋爪 働く環境も然り、工場の整備などの効率化のためにすでに取り組みは進んでいますが、今後は職場の環境や生産性を劇的に改善するためのインフラ整備を目指します。
三野 企業DXに関しては、コロナ禍でその取り組みはより加速したと言えます。実はDX戦略には既存のシステムや体制の打開という側面もあります。皆さんも感じられているとおり、新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言発令後、当社はテレワーク環境の整備がとてもスピーディーでした。宣言が発令されることは予想できませんでしたが、東京オリンピック開催で通勤が制限されることを想定し、自宅から勤務する手段を当時すでに確立していたからです。
橋爪 基幹業務システムの全面更改やリモートデスクトップなどのIT環境の整備が事前にできていたので、緊急事態宣言後すぐにテレワークへ移行できました。常に時代のニーズを先取りし、それらに応えて成長してきた当社には、これからの時代に必要なものを見極め、素早く導入していく文化があると感じています。結果として、いち早く新たな環境整備が構築でき、未曾有の事態にも業務をレベルダウンすることなく、柔軟に対応することができたと言えます。
三野 計画的に企業DXを進めていますが、基盤が出来上がっているため、外的要因を踏まえて改善しながらさらなるバージョンアップを見据えることができます。これは攻めの投資による産物と、誇らしく思っています。
2025年に向けて進む
DX戦略の具体策の数々
三野 DX戦略の一つであるIoTの活用では、2025年度までに接続可能な機種はすべてA.I/TECに接続したいと考えています。IoTセキュアプラットフォームの整備を行いながら、すでに将来のビジネスとなり得る複数のプロジェクトが進展しています。ごみ焼却発電施設の自動制御もそうですが、最近ではフィルタープレスでの展開に期待しています。
橋爪 ろ過装置であるフィルタープレスは、各種生産プロセス用や廃水処理などの環境保全対策用などさまざまな分野に、永年培った多くの納入実績があります。ろ過装置内はろ布などの消耗品が使用されており、お客様から劣化の相談を受けることも多々あります。ここに、流量などをもとに一定の条件となれば交換を知らせるシステムをつなげれば、劣化を予兆検知できます。IoTの活用で故障に至る経緯が見える化され、故障する前に修理・対応できるようになります。お客様から機械の不具合を相談される前に提案できるため、定期メンテナンスなど、これまでとは違うアプローチでお客様の満足度向上につながり、リピート率の増加も期待できます。
三野 他にも私たちは多くの社会インフラ施設を提供しています。デジタルの文脈で考えていくと、運転状況の監視やメンテナンス対応における課題の解決やサービスの提供に限りない可能性が潜んでいることがわかります。
既成概念にとらわれない挑戦が
DX化を加速していく
橋爪 DX戦略においてDに当たるデジタルの導入は技術や資本があれば可能であり、ICT推進本部や知能機械研究センターが主体となって具現化します。しかし、変革を意味するX=トランスフォーメーションの部分は、どのように行うかというアイデアが求められます。アイデアを生み出すのは誰か。それは事業部門を主体とした全役職員であり、特に営業の最前線にいる方々の声や行動が重要となります。皆さんがデジタルの知識をインプットすることで最先端のお客様ニーズに応えるアイデアにつながり、実行していくことで当社の持続的な成長へとつながる、これこそがDX戦略の本質と考えています。
三野 これから当社がデジタルを一つの強みとして成長させていくなかで課題となるのが、人材育成です。当社が描くDX戦略を進める人材を育成するための研修プログラムを開始し、2025年度には500人のDX人材の育成を指標に定めています。Hitz 2030 VisionにおいてDX戦略を全社一丸となって推し進めていく決意を示していますが、今回のような発信の機会やアイデア提案制度を設けるなど夢を語れる場も増やしていきます。
橋爪 DXは18世紀の産業革命に匹敵する変革と言われています。私たちICT推進本部は、DX戦略をグループの新たな強みとして磨き上げ、デジタルを加味したサービスを生み出すための基盤づくりに貢献する部署ですが、ICT推進本部だけでは変革を起こすことはできません。共に一丸となってDX戦略の実現を目指しましょう。